いいじまの日々

【地元PRショップ】小学生が主催!
地域への感謝を形に

2023.03.30
気賀澤絵美 さん

飯島町七久保(ななくぼ)にある『道の駅 花の里いいじま』で開かれた“とあるお店”。準備をしていたのは、七久保小学校6年生の皆さん。地元のPRをするために子どもたちが計画したそうなんです。

2022年、飯島町の観光移住パンフレットがリニューアル。そのうちの特集ページで町内の2つの小学校(飯島小学校、七久保小学校)の6年生が自分たちの町について紹介をしました。その後、七久保小学校の6年生が「PRショップを開きたい」と提案したそうです。

お話をお伺いしたのは、6年生担任の後藤奈穂美(ごとうなほみ)先生。

「パンフレット制作をきっかけに町や地域とつながりを持てました。町のPRのほかにも何かできないかな?ならば僕たち(6年生)が紹介した店の商品を売ろうよ!と、子どもたちからアイデアが出たのです。

みんな、作るだけで終わらせたくないという気持ちでした。取材を通して、地域の方々が親切にしてくださった。その嬉しかった思いを物を売ることでお返ししたい、感謝の気持ちを表したいと思ったのでしょう。たくさん売って、お店へ良い報告をするんだ!と意気込んでいます」

6年生は“総合”という授業の時間を使って、先方さんへの依頼や打ち合わせなどを全部行なったといいます。最初は商品の持ち出しを断られるのではないかと懸念していたという後藤先生。ですが、外から戻ってきた子どもたちの顔は嬉しそうな、達成感にあふれていたそうです。

「地域の方に優しくしてもらえたうえに、快く商品を預けてくださいました。社会に直接ふれていることが、子どもたちにとって良い経験になったと思います」

6年生は8つのグループに分かれて、自分たちが取材し紹介したお店を担当。授業で使うタブレットを利用しながら、お店のチラシやパネルづくりにも取り組んだそう。たとえば早稲田種苗農園さんの手づくりパンフレットには、商品の詳細とカラー写真が記載されています。取材に対する真剣さがこちらにも伝わってきます。先生の力に頼らず、ほとんどの段取りを子どもたちが行なっていることに驚きました。

販売されていた商品は、千人塚バーガー引換券・そば道場500円券・たまごとミルクとりんごの樹の焼き菓子・里の菓工房の栗菓子・堀内煙火のタオルとポストカードセット・そして早稲田種苗農園のりんご、リンゴジュース、焼肉のタレ。

「いらっしゃいませ!」

「どうぞごらんください!」

「千人塚バーガーの引換券500円です!」

ショップの前や沿道で大きな声で呼び込みをすると、開店前から集まるお客さん。声をかけ合いながら金銭や商品の受け渡しもこなします。なんと、開店30分で完売した商品もあったそうです。買い物を終えたお客さんは、「(子どもたちの)元気が良くて、気持ちが良い受け応えでした」とおっしゃっていました。丁寧で心温まる接客が印象的でした。

そば道場の取材をした男子児童は「そばを手打ちで作っていることがわかりました。美味しく食べてもらうためにさまざまな工夫がされています。地域に愛されているお店ということもわかったので、旅行で来た人たちにも気軽に立ち寄ってもらいたいです」と話していました。

また、ある女子児童は「準備も当日も大変でした。でも、楽しいという気持ちが一番。こういう取り組みをできたらこの先も続けて欲しいと思います」と話してくれました。

「パンフレット作りを機に地域の人たちの温かさを実感しました。このような取り組みを通して、子どもたちは自分で行動し、出会い、何をするべきか考えることを学べたと思います」後藤先生はこう振り返ります。

地域とふれあい、つながったことがきっかけで始まったPRショップ。飯島町のいいところやいいものを一生懸命伝えようとする6年生の姿が輝いて見えました。そして、楽しそうな笑顔が心に残っています。こういうイベントがまたあったら良いな、と思いました。

〇今回販売のあった店舗一覧

【千人塚公園】


【そば道場・ななくぼ】


【たまごとミルクとりんごの樹】


【信州 里の菓工房】


【有限会社 伊那火工 堀内煙火店】


【早稲田種苗農園】

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ライター

気賀澤絵美

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