いいじまの日々

【いいじま空き家探訪】
伊藤沙季さんの古民家暮らし

2024.03.02
伊藤沙季 さん

飯島町には空き家がまだまだ眠っています。今回は飯島町に移住をして、空き家だった古民家に暮らす伊藤 沙季さんに住まいのお話をお伺いしました。夫婦で農業を営む伊藤さんの、古民家で暮らすまでのお話や実際に住んでみてどうなの?というお話をお聞きしました。

現在、お住まいの古民家について教えてください

「2021年4月に移住し、その年の12月から現在の古民家に住んでいます。空き家期間は不明ですが、引っ越す直前まで持ち主の方が別の家から通って管理されていました。この古民家との出会いは役場の方からの紹介でした。空き家がいいと言う希望は無く、農業に必要な作業スペースや農機具置き場を確保したいと思っていました。

空き家に住む以外の選択肢としては家とは別に作業スペースを確保して賃貸に住み続けて余裕ができたり、飯島町に住み続けられると自信が持てたら新築を建てるということを考えていました。

この古民家にした決め手は、カクイチ物置が付いていたり、価格が現実的だったりと条件に合う古民家が見つかったこと、また地元住民の方から周りはいい方たちが住んでいるよと教えていただけたことがきっかけです」

実際に古民家で暮らしてみてどうですか? 

「実際に暮らしてみて、庭に植物が元々植わっていたので季節ごとに咲く花や、秋に実る柿が楽しめることもよかったことです。それから広さ。実際に果物(梨)を育てて収穫して出荷するにはたくさんのスペースが必要だったため、広い屋外作業スペースがあって良かったと思っています。古民家の魅力は広さと値段。

一方で大変だったのは掃除です。家具の裏の壁がカビていたので剥がして漆喰を塗りました。タバコを吸っていたヤニなのか、長年のホコリの蓄積なのか、調理の際の油なのか、拭いても拭いても取れにくい汚れがあるのが大変です。それから現在も屋根裏からネズミの足音が聞こえて来るので糞等からの雑菌が心配なため対策を検討中です」

「あとは寒さです。コンビニかと思うくらい家の側面が壁ではなくガラス窓で、更にガラスは1枚、サッシはアルミ、家も少し傾いているのか立て付けが悪く窓際では観葉植物も洗った食器の水滴も凍ります。床からの底冷えもすごく、窓、縁側、障子の内側でも0℃にはなります。寒さ等の問題点を感じると自分がこれまで恵まれていた事や、昔の時代の人のたくましさを感じます。

それから、古民家の改修は引っ越す前にキッチン、お風呂を業者さんにお願いしました。その他、キッチンと居間、トイレの壁には自分で漆喰を塗りました。お風呂は改修前は断熱材無し、タイルの床、薪での湯沸かしだったので改修していなかったらとても大変だっただろうなと思うと改修して良かったです。私の場合、古民家のDIYは大掛かりな大掃除だなと思うくらい、ほぼ汚れやホコリとの戦いでした」

―――お風呂―――

―――トイレ―――

いつか移住や古民家暮らし、空き家改修をしたい方へメッセージがあればお願いします

「掃除が趣味で時間とお金に余裕があれば趣のあるオシャレな古民家暮しが楽しめると思います。そうで無く古民家に住みたい場合は業者さんにリフォームをお願いするのがおすすめです。古民家の趣と安全と利便性を叶えられるのでは無いかと思っています」

「田舎での生活はお店等の物的環境だけでなく住んでいる人の常識も異なります。何かあったら帰ったり別の場所に行ける余裕か、それなりの覚悟のどちらかが必要だと思います。私は今は前者です。と言っても大きな負債を作らないようにしているだけですが、この心の余裕のおかげで何処に居たって何したって一長一短何だから今を楽しもうと言う気持ちで日々楽しく過ごせています」

この記事を書いたライター
ライター

飯島町定住促進室

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