安心して集える居場所を作りたい。地域おこし協力隊から喫茶店オーナーへ。
「地元の皆さんが気軽に集える場を作りたい」、地域おこし協力隊での活動を通して感じた思いを活かし、飯島町で喫茶店を開くことにした堀内恵利子(ほりうちえりこ)さん。愛知県から移住~仕事探し~協力隊での活動・結婚・開業と、さまざまなライフイベントが堀内さんを待っていました。今回はそんな堀内さんに、これまでの体験や喫茶店への想いについてお話を伺いました。
きて・みて・話して、もっと知りたいと思った飯島町
飯島町を知ったきっかけは当時、勤めていた愛知県のオフィスに毎月届いていた無料冊子。名古屋で開催されたイベントに目がとまったのだそう。
「名古屋では、百貨店や大型専門店の販売員として、デパ地下やお洋服売り場などさまざまな売り場を担当し、接客の仕事をしていました。やりがいを感じつつも接客業に少し疲れを感じていたとき、静かなところで過ごしたいという気持ちになって。オフィスで見かけた飯島町のイベントに思い切って参加してみたんです」
「長野は愛知からも行きやすいですし自然も豊かで涼しく、やっぱり水がおいしい。実際に訪れてみると、地域の皆さんもいい人が多くて、移り住むなら南信州かな、と以前から思っていました。そこで、とりあえず住もう!と決めて役場に相談していくうちに、もっとこの町を知って一緒に盛り上げていけたらいいな、挑戦してみようかなという気持ちになりました。
最初はアパート暮らしだったので、あまりご近所との交流はなかったのですが、ある日道に迷ったとき、通りすがりのおじさまが声をかけてくれたんです。はじめての土地で困っていたときに助けてもらい本当に嬉しかったことを覚えています」
町の人たちの声を聞くことができた、地域おこし協力隊
さまざまな仕事の中から地域おこし協力隊を選び、2019年4月に着任。まちの駅「いいちゃん」での活動が主だった堀内さん。活動の中でどのような気持ちの変化があったのでしょうか。
「地域おこし協力隊の期間中の任務は、『まちの駅いいちゃん』を拠点に、町中にどうやって人を増やすか、という町中の活性化に関する内容でした。
老若男女問わず地域の皆さんと接する中で、地元から若者離れが進む今、『町の中心でもある商店街を盛り上げたい』『子どもたちが自発的に戻ってきたいと思える町にしたい』と活動している若い方々の意見にとても刺激を受けました」
「『まちの駅いいちゃん』は、地域のイベント情報を発信・お手伝いしたり、野菜や花を納品する地元農家の方々も集う場所です。電車通学をする学生さんたちが待ち時間に勉強をしていることもあります」
「一人暮らしをされているおばあちゃんも『ここでやっと喋れたわ』と、お話ができるから来たという方も結構いて。ここに来る方たちの声を聞いて、高齢の方も、子どもたちも、そこに行けば誰かがいて喋れる、親御さんも安心して子供を預けられる、そんな気軽な地域の居場所を作りたいなと思い始めたんです」
居心地のよい空間を提供したい『喫茶もあい』
こんな場所があったらいいなという町の人の声を聞いて、喫茶店を開業することを決めた堀内さん。移住して2年半、「いいじまの人」となり、改めて感じる飯島町の魅力やお店の準備について語ってくれました。
「今は、主人の実家で家族・3匹の猫とにぎやかに過ごしています。畑で採れたきゅうりを食べたり、風が涼しいときには夜に星空をずっと眺めたり…。ここは私にとって程よいんです。車は必要ですが、少し行けばスーパーもドラッグストアも圏内にありますし、山もあって、水もおいしくて、星がきれいで。そういうところが私にベストだったんです」
「喫茶店の場所は、協力隊をしていた頃にお世話になった方々が空き家情報を教えてくれて、いくつか候補の中から、広小路通りにある空き家を選びました。ちょうど主人も事務所を構えたいと話していたので、じゃあ一軒家を借りて、2階は事務所、1階は喫茶店にしようかって」
「電車待ちの学生のために勉強部屋みたいなスペースを作ってもいいかなと思っています。あとは、高齢の方がゆっくりお茶を飲めたり、お子さん連れのお母さんたちにも来てもらいたいですね。一人でも来てもらえるようにカウンター席もあります」
「お店は9月5日に無事にオープンしました。当初の予定より延びてしまいましたが、その間も開店を待ち望んで下さるお声を多くいただき、本当に嬉しく感謝しています。居心地のよい空間を創れるよう頑張ります。ご来店をお待ちしております!」
喫茶もあい(2021年9月5日OPEN)
【住所】長野県上伊那郡飯島町飯島1181-3
【電話】0265-98-8827
【Facebook】準備中
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】日・月
【駐車場】あり
【メニュー】カレーライス・ホットサンド・ワッフル・ドリンクなど
【編集後記】
取材中、堀内さんに抱いた印象は「聞き上手な人」でした。お喋りしたり、勉強したり、それぞれの時間を過ごす居場所が飯島町にひとつ増えます。オープンが楽しみです。
お話をお伺いしたひと:堀内恵利子さん
出身:愛知県
移住した年:2019年
飯島でお気に入りの場所:自然酵母パン Chocotan(チョコタン)
移住検討者にメッセージ:「誰でも受け入れてくれるような懐がある町。風景もとてもよく住むにはいい環境だと思うので、飯島町にくるきっかけがあれば気軽に来てほしいです。一度来たら本当によさを感じてもらえると思います」