いいじまのひと

目指すは世界一の風鈴街道 新しい夏祭りで町おこし

2021.07.12
堀内陽子 さん

2021年8月14日、飯島町で風鈴を使ったお祭りが初めて開催されます。その名も「りんりん祭(まつり)」。催しの発起人である堀内陽子(ほりうちようこ)さんは飯島町出身で、町内の飲食店「居酒屋みなみ」と「バル・ラルゴ」のオーナーでいらっしゃいます。今回は堀内さんに「りんりん祭」がどんなお祭りなのか、またどういった思いが込められているのか、お話をお伺いしました。

はじまりは地元への感謝と恩返しの気持ちから

飯島町で生まれ育ち、高校卒業後は東京で17年間過ごされたという堀内さん。イタリアンレストランのヘッドウェイトレスや接客業を経て、2011年に飯島町へ帰省。多様な経歴を活かし、現在は駅前にある「居酒屋みなみ」と「バル・ラルゴ」の経営をされています。今回のお祭りは、帰省して感じたことがきっかけになったそう。

『居酒屋みなみ』は、母の代から受け継ぐ形で2021年1月に10周年を迎えました。『バル・ラルゴ』は6周年です。新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)が流行する中でも、お客さまが来ない日はありませんでした。皆さんが応援してくださったのです。テイクアウト用の餃子もたくさん販売しました。帰省して10年、私は地域の方々のおかげに気付かされました。コロナの影響でイベントが無い中、『私にできることはなんだろう?』と発想したのが始まりです」

「あと、帰ってきて思ったことが『365日吹く風が気持ちいい』ということです。都会の生温かいビル風に慣れていた私にとって、地元の良さを改めて感じる瞬間でした。『りんりん祭』は、『もっと地元に感謝をしたい』という思いから始まったのです」

風の音をもっと印象的に 町の地域資源を活かした夏祭り

堀内さんがお祭りの構想を練り始めたのは2020年9月。毎年恒例の家族旅行は中止、年中のお子さんとの思い出作りも我慢しなければならない。やるせなさと寂しさを感じたという堀内さんが、新しい夏祭りとして考えたのが「りんりん祭」でした。どのようなお祭りなのでしょうか。

「この町に風が吹く様子をみんなに伝えたいと思いました。そして夏に風を表現できるものとして、『風鈴』が浮かんだんです。風鈴は飯島駅前の広小路通りを中心に飾ります。地元の大工さんや建設業者の方が作ってくださる、高さ2.5メートル横2.5メートル、長さ1.7メートルの「やぐら」が通りに並びます。230個の風鈴をつけたものが13〜15基ほど。横サイドにも風鈴です。およそ26メートルの中を、親子が並んで歩けるような通路になります」

「また、町の保育園や小中学校に風鈴の絵づけをお願いしたり、地域自立支援事業所の皆さんに牛乳パックの短冊を制作していただいたり、地域が深くお祭りに関わっているのです。初回は3千個の風鈴が並びますよ!

今年は、共同開催は出来ませんでしたが、毎年8月14日に行われている公民館の『納涼祭』と商工会中部支部支会の『夕涼み市』とも来年度は共同開催し、多くの人が関わりながら盆踊りや輪投げ、射的の催しも楽しめるようにしたいです!」

3年後には1万個の風鈴を飾りたい!世界一の風鈴展示を目指す!

自分のやりたいことに賛同してくれる人の存在、人とのつながりの大切さを改めて知ったという堀内さん。「りんりん祭」に対する切実な想いと、大きな目標をお伺いしました。

「風鈴は『魔除け・厄除け』の意味があります。コロナがなくなって欲しい。みんなを守って欲しい。そんな疫病退散の願いを込めて、ひとりでも多くの方に風鈴街道を通ってもらいたいです。

今回のお祭りから、風鈴の最大展示としてギネス記録に挑戦します。目標は3年間で1万個。今はクラウドファンディングにも挑戦しています。本当にたくさんの皆さんのご協力を得て、助けあって作るお祭りです。3年後には、100人のスタッフと支えてくださった地域のみんなで喜びたいですね」

(「りんりん祭」HPより)

「風鈴は消えてなくなる幻想的でレトロなものと思っているので、常設はしません。お盆の、この一瞬をどうか見逃さないで!という気持ちです。年に1回だけでも、帰ってきたくなる町、もう一度訪れたい町であってほしい。そのきっかけになるようなお祭りを目指しています。風鈴が、3万人を呼ぶような力になってくれることを願っています」


【編集後記】

お客さんの存在やサポートしてくれる周りの人を、とても大切に思われている堀内さん。

その温かでまっすぐな堀内さんのお人柄が地域を、お祭りを動かしているのではないでしょうか。8月14日の「りんりん祭」開催が楽しみです!一緒に3千個の風鈴街道を堪能しましょう!


お話をお伺いしたひと:堀内陽子さん

出身:飯島町

移住検討者へメッセージ:飯島町は、いい意味で閉鎖的かもしれません。だからこそいいところや気になるところがあります。地元の人にぜひ会って話してみてください。

この記事を書いたライター
ライター

気賀澤絵美

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