いいじまのひと

挑戦のしやすさと安心感。移住先で古民家宿「nagare」を開業

2021.05.26
石川妙子 さん

今回は、2018年に東京から飯島町に移住した石川妙子(いしかわたえこ)さんにお話をお伺いしました。飯島町で築100年の古民家をリノベーションし、2020年夏、夫婦で一棟貸し古民家宿「nagare」を開業しました。同年9月には第一子も産まれ、愛犬と一緒に家のまわりの田んぼ道を散歩するのが日課になっているそうです。

500日の海外の旅を経て見えてきたもの

新婚旅行を兼ねた500日間の世界一周の旅の後、移住を決めた石川さんご夫婦。それまでは夫婦ともに銀行勤めをされていました。そのお二人がどのようなきっかけで移住を決めたのでしょうか。

「旅の途中で、都会暮らしよりも田舎暮らしに魅力を感じるようになり、移住を考えるようになりました。でも私たち夫婦は都会でしか暮らしたことがなかったので、ほどほどの田舎で、東京にも近い場所を探していました。

移住者セミナーに顔を出したり、他の県も検討してみましたがどこもピンとこなくて。そんな時、たまたま夫婦共通の友人が飯島町に移住したのを知り、会いに行ったのがきっかけでした」

移住と同時に宿をやるための物件を探していた石川さん。2020年の夏に開業した、一棟貸しの宿「nagare」の古民家は役場を通して紹介してもらったそう。当時の古民家は、とてもボロボロだったと言います。

「玄関を開けると昔ながらの通り土間が広がる異空間。キッチンはボロボロだし、床も20cmくらいへこんでいたし、屋根の一部も崩れかけていたし、本当にひどかったです。

散々、地元の方たちには忠告されましたが、私たちにはとても魅力的な物件だったので、柱と天井だけ残してフルリノベーションしました。約3年ほどの時間がかかってしまいましたが、自分たちの理想とする宿がようやく完成し、無事に昨年開業することができました」

新しいことにチャレンジができ、応援してもらえる環境がある

移住してよかったことのひとつは、新しいチャレンジや挑戦を応援してくれる人が多いことだと言います。

「都会って全てが完成されていて、何をやっても他に同じことをやってる人がいるので話題にならないけれど、ここだとチャレンジしやすいのがいいですよね。一棟貸し古民家宿の開業もそうですけど、新しいことにチャレンジすると応援してもらえるのがいいなって思います。飯島町のこの規模感も応援してもらえたり、声を掛けてもらえたり、いろんな人と繋がれるちょうど良いサイズ感なのかもしれないですね」

「あとは宿を開業してから、お客様だけでなく、ここにいろんな人が来てくれるようになったんです。例えば、陶芸家さんやデザイナーさん、職人さん、農家さんなど。子どもが小さな頃からいろんな職種や価値観の人と触れられる環境も宿をやって良かったなと思う点です。

それから、都会だと隣に住んでいる人も知らなかったんですけど、ここだと近所のおばあちゃんたちが声を掛けてくれたり、いろんな野菜やお惣菜をお裾分けしてくれるんですよ。

まるで孫のような感覚を持ってくれているような気もしています。人との距離の近さは不安な点でしたが、今では地域の人たちが見守ってくれているという安心感がありますね」

コロナ禍においても変わらない穏やかな日常が送れる安心感

生まれも育ちも都会の石川さん。覚悟していた田舎の生活は、思ったほど不便を感じなかったそう。

「新宿から1時間に1本高速バスが出ているのでアクセスも良く、とても便利に感じました。都会は電車に乗るために駅まで徒歩やバスで行かないといけないけど、ここなら車でどこへでも行けますし」

冬の厳しい寒さも、車に乗りこめばコートいらず。都会にいたころの方が厚手のコートを着ていたそう。

「驚いたのは、田舎だからスローライフのような、ゆったりとした生活が送れるのかな?と思い描いていたけれど、そんなことはなかった…。東京とはまた違う忙しさがありましたね。

今は宿の運営だけでなく移住前からしていたメディア運営や編集の仕事もしています。その他、子育てをしながら、畑仕事に庭仕事…と、仕事の期日に追われる忙しさだけではなく、そろそろジャガイモ植えないと!とか、キュウリができすぎたから保存食作らないと!明日雨だから草刈りしなきゃ!とか。自然のケアと仕事を両立させるのが予想以上に大変です(笑)。

でもその平和な感じもいいなと思っていいます。コロナ禍で都会はどんよりした雰囲気だと思うんですけど、ここは普段と変わらない生活ができる。もちろん危機感はありますが、変わらない穏やかな日常が送るっていうのは移住して良かったと思う点です」


【編集後記】
石川さんご夫妻が運営する一棟貸しの古民家宿「nagare」へ遊びにいってきました。壁一面の大きな窓からは飯島の山や木々が見え、時間の流れがゆっくり過ぎていくように感じました。築100年超えとは思えない、フルリノベーションされた宿はとてもきれいで、キッチンも広く、飯島の地元食材を使って料理をするのが楽しめそうです。


お話をお伺いしたひと:石川妙子さん
出身:神奈川県横浜市
移住した年:2018年
お気に入りの場所:家周辺のお散歩コース。季節ごとに変わる風景が新鮮でお気に入り。
移住検討者にメッセージ:移住を検討している人はまず実際に来て「住んでいる人に会う」「泊まってみる」ことが大事。私たちの宿は「一棟貸し」なので暮らしの疑似体験もできるのでぜひ遊びにきてください。

この記事を書いたライター
ライター

MAKI

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