いいじまの日々

【第三回信州飯島風街道りんりん祭】3年目のキセキ 世界一の風鈴街道へ

2023.10.12
気賀澤絵美 さん

飯島町の心地良い風を活かした風鈴のお祭り『りんりん祭』が3年目を迎えました。私は実行委員長の堀内陽子(ほりうちようこ)さんをIIJIMA NOTEで取材させていただいたご縁から実行委員として参加しています。

私にとっては2回目のりんりん祭です。実行委員会では”世界一の風鈴街道”を目指して地域おこしにつなげたいという目標を掲げてきました。果たして今回、その目標に近づくことができたのでしょうか。お祭りの様子とともにご紹介したいと思います!

開催日は2023年8月12日(土)、13日(日)。今回は”感動と爆笑の二日間!”とPRされていたように、初の二日連続開催でした。初日の見どころは、なんといっても風鈴の展示数最多の『ギネス世界記録™︎』への挑戦です。

2021年から始まった風鈴の展示。前回6,500個弱を飾り、今回10,000個を目標に取り組んできました。風鈴の制作は、中川村の『ガラス工房錬星舎(れんせいしゃ)』さん。ガラスの透明感が美しく、大きさや形がひとつずつが違うところが魅力です。その風鈴につける短冊の制作は飯島町の『こまくさ園』さん。一枚一枚ていねいに作られています。

飯島町役場前の道路に設置されたのは、長さ82メートルのやぐら。お祭りの前日、ボランティアの方も合わせて総勢100名で風鈴街道を飾りつけました。そのなかには中学生の有志で結成された「りんりんジュニア」の姿も。

最後の一万個目の風鈴をつける実行委員浦野さん

審査をしてくださったのは、ギネス世界記録公式認定員の関岡智美さん。来場者やメディア関係の方に注目されながらカウントが進みました。関岡さんの風鈴を数える姿に緊張感が走ります。私たちは祈るようにその光景を見ていました。

審査と同時進行で行われていたのは、音楽ステージです。今回はプロのバンドや地元小中学校の合唱団や吹奏楽部を招待。迫力のある生演奏はかっこよく、聴き応えがありました!そして、ステージの途中で審査結果の発表がありました。

ギネス世界記録公式認定員 関岡さん
Utoppia Jazz Orchestraの皆さん
飯島中学校吹奏楽部の皆さん

結果は…

『風鈴10,000個!ギネス世界記録達成です!!』

その直後聞こえたのは『やった!』『おめでとう!!』の歓喜の声。堀内さん、下平町長を筆頭に会場のみんなで喜びを分かち合いました。ギネス世界記録の認定証を堀内さんが受け取る瞬間は、目頭に熱いものが込み上げてきたのを覚えています。

私は実行委員会では写真と記録係を担当。歴史的瞬間を目の当たりにできて、とても嬉しかったです。感動的な時間でした。さて、ここで堀内さんに聞いた裏話。本番前に風鈴は10,050個強用意されていました。実際にカウントされた数は、なんと10,003個だったそうです。極めて厳しく、公平に数えていた結果なのですが、ちょっとヒヤッとしたといいます。今回はもともとの目標だった10,000個ぴったりで認定してもらったそうです。

ギネス世界記録認定後取材を受ける堀内さん

晴れて世界一の風鈴街道として認めてもらいましたが、お祭りはここから。

イベントや出店も前回よりパワーアップしました。「浴衣コンテストカップル編」では、4組の夫婦が参加。涼しげな装いと素敵なエピソードで会場を盛り上げました。優勝したのは、東京から移住して4ヶ月の神座(じんざ)さんご夫妻。イベント後、おふたりに感想を伺いました。

「りんりん祭の記念すべき年に、優勝することができてとても嬉しいです!これからももっと飯島町のことを知って、もっと好きになっていきたいです」と喜びの声をいただきました。

飲食店や物販・ワークショップは約50店舗が参加し、飯島町文化館から飯島町役場までの会場に目一杯展開しました。ステージと屋台と風鈴が一堂に楽しめるお祭りは、りんりん祭だけではないでしょうか!とても暑い日でしたが、木陰や芝生のある会場だったので、お客さんは腰を下ろして涼んでいる印象でした。前年度は雨に打たれてしまったので、今回は天気がよくて本当に良かったと思います。


さて、日付は変わり二日目の見どころは有料イベントの『後夜祭』。メディアで活躍するお笑い芸人さんやアイドルの方たちがステージを熱く盛り上げてくれました。観客席とステージの距離はほぼゼロ!とくに『DJダイノジ』のおふたりのステージは、ボルテージマックスの盛り上がりでした。お客さんと一体化してダンスする様子は、圧巻。私も観客として楽しみました!

お笑い芸人『ダイノジ』さん

『こてつ』さん/『じぐろ京介』さん/『SAKURAI』さん/『ウエスP』さん

『コウメ太夫』さん(ダンスバージョン・着物バージョン)/『アップアップガールズ(仮)』さん/『まちゃまちゃ』さん

笑いあり歌ありダンスありのスペシャルライブは、あっという間にフィナーレへ。最後に飾ったのはもちろん、打ち上げ花火でした。今回は風鈴の形の花火が上がり、とても可愛かったです。

りんりん祭史上初の二日間にわたる開催は無事に終了。私は長いようで短く感じました。悲願の世界記録を達成し、その瞬間を会場で目の当たりにできたことはこの先ずっと忘れません。りんりん祭に参加できたことを誇りに思います。

かつては夏祭りが当たり前にあった飯島町。コロナ禍や人口減少によりその当たり前が貴重になってしまいました。そこで、ふたたび地域を元気にするために新しく始まったりんりん祭。町中に吹き抜ける気持ちの良い風を活かすために、10,000個の風鈴が集まりました。これまでの道のりは決して安易ではありませんでした。やはり「ひとのちから」がなければ、ここまで大きなことはできなかったのではないでしょうか。

お祭り終了後、堀内さんにお話を伺いました。

「感無量です。初めは夢物語のようでしたが、多くの方の支援があってここまで来ることができました。りんりん祭に関わってくださったすべての皆様に感謝をしています。一万人の想いがお祭りを成功させてくれたと思っています。本当にありがとうございました」ひとつの目標を成し遂げた堀内さんの表情は、輝いて見えました。

発起3年目に起きた”小さな町のキセキ”。

今回の素晴らしい結果は、今後も10,000個の風鈴とともに未来へ響かせ続けることでしょう。もしかしたら、その数は増え続けるかもしれません。このようなお祭りをきっかけに、飯島町に以前のような”にぎわい”が戻ることを祈っています。そして、夏が来るたびにりんりん祭を楽しみにしてくれる人が増えたら嬉しいです。

りんりん祭りの詳しい情報はこちら

過去のIIJIMA NOTEの記事はこちら

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気賀澤絵美

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